本日の日経平均

2016年02月11日 18:32

10日のダウは15914.74ドル。(4営業日続落)

CME225終値は15560円。(大証先物比-110円)

本日は建国記念日のため、日本の市場は休場でした。

米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が証言、追加利上げに対して「経済が下振れすれば利上げペース減速するのが適当だ。」と表明しました。

また、「米経済は拡大が続く。」とも主張、緩やかな金融引き締めの姿勢は堅持する構えのようです。

とは言うものの世界的な景気減速懸念からリスク資産である株式を手放す動きが広がっています。

株安、資源安に加え、米景気の減速懸念も持ち上がり、市場では次の利上げは来年まで先延ばしになるのでは、とまで言われており、世界の金融市場の混乱から年4回ペースの追加利上げの見直しが図られています。

欧州では、ドイツ最大の銀行、ドイツ銀行の経営悪化が世界の金融市場に揺さぶりを与えています。

2015年の決算で過去最大の赤字を計上したことが背景となって、マイナス金利によって同行の債権の利払いが滞るのでは、と市場心理を冷やしました。

この懸念材料になっている債権というのが、「CoCo債」といい、日本語で偶発転換社債と呼びます。

CoCo債は、債権でありながら株式としての性質をもつ”ハイブリッド証券”です。

一般的に転換社債とは、投資家が株価上昇時に保有している転換社債を株式に転換し売却して利益を得るものですが、このCoCo債(偶発転換社債)は発行体の金融機関の自己資本比率が一定以下になったとき、強制的に株式に転換されるものです。

金融機関の自己資本比率が下がっている、つまり株価が下落状態のときに強制的に株式に転換されれば当然、投資家は損を被ります。

では、なぜそんなリスクのあるCoCo債を投資家は保有するのでしょうか。

それは高い利回りがあるからです。

CoCo債の平均利回りは5~6%と、超低金利の現在ではかなりのものです。

なので投資家は「さすがにそうそうドイツ銀行は潰れたりしないでしょ」と思い、高い利回りを求め、CoCo債の購入に至ったわけです。

さて、それを踏まえて現状はどうでしょうか。

決算の赤字、マイナス金利による収益の低下などでこの利回りは果たして払えるのだろうか、という懸念から、ドイツ銀行の経営不安が広がり、ドイツ銀行の株価急落、世界的リスクオフになっていったわけです。

日本国内の情勢のほか、原油、中国、為替、米利上げなどアンテナを多く持たなければたちまち相場の世界から退場、となりかねない現状であります。

日本の市場が休みだから何もしない、というのではなく、だからこそ世界のマーケットに目を向けて、自分たちの運用に備えててもいいと思います。

今後の世界の動きには要注目です。